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研修をさせて頂きました

訪問看護ステーションととのえ



 私達は、厚生労働省の看護学教員養成課程を修了しています。そのため、研修や授業等の講師依頼もお受けしています。先日、館林市の新橋病院において、職員の皆様を対象に「高齢者虐待」をテーマとした研修の講師をさせて頂きました。職員の皆様には真剣な姿勢でご参加頂き、私達にとっても大変貴重な時間を過ごさせて頂きました。

 その際の資料には、私の母が医療機関で受けていた身体拘束を事例として掲載しました。15年近く前の事ではありましたが、今でも鮮明に思い出す出来事です。身体拘束だけでなく、身体的・心理的な虐待と考えられる扱いを受けており、母の苦痛は強かったと思います。そのような扱いを受けている母の面会に行くと、辛くて悲しくてたまりませんでした。確かに認知症もあり、チューブ類を触ってしまう行動はありましたが、殆ど自分では動く事が出来ない状態だったので、過剰な身体拘束をされていると感じていました。体もきれいにしてもらえず、皮膚のカサカサが雪のように舞い上がり、手は悪臭を放ち、床ずれもできていました。しかし、病棟に苦情を申し伝えたら、私が帰ったあとに何をさせるか分からない怖さがあり、言うことができませんでした。看護師だから、急性期の状態ではやむを得ず身体拘束を行う事情は理解しています。しかし、やむを得ずでは無い場合は、やはり行うべきではありません。

 今回、高齢者虐待についての講義を準備しながら、高齢者虐待とは・高齢者の権利を擁護するとはどのような事なのかを、改めて学ぶ事が出来ました。私達は訪問看護師として利用者さんのお宅で看護を行っているため、ご家族の前で看護を実践する機会がたくさん有ります。大切なご家族に見て頂けるような看護、見ているご家族も癒やされるような看護を心がけています。それが自然と、利用者さんの権利擁護に繋がっているように思います。思いやりの気持ちとともに、常に自己研鑽に励みながらこれからも頑張ろうと思います。

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