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折り紙に込められた思い

訪問看護ステーションととのえ





私の名札ケースの中には、いつも小さな折り紙が入っています。それは利用者さんが折ってくれた四つ葉のクローバーです。訪問していた時にそれがたくさん折ってありました。たくさん折ってどうするのか尋ねると「外来受診の時に持って行くの。患者さんに良いことがあるようにって持って行ってもらおうと思って。」と話していました。その方はまだ40代でしたが、人生の終わりを覚悟せざるを得ないような体の状態でした。訪問が終わる頃になると2杯のコーヒーを用意してくれて、自分は何も喉を通らないのでコーヒーの香りだけで、私が飲む姿を嬉しそうに眺めているような人でした。想像を絶するような体の辛さに耐え、これから迎える家族との別れを案じて毎日泣いているのに、人のために幸せを願いこの折り紙を折っていました。私はその折り方を教えてもらい、その時に一緒に折ってくれた四つ葉のクローバーをプレゼントしてくれました。それをいつも名札ケースに入れて、仕事で辛いことがあると四つ葉のクローバーを観ては勇気を貰っていました。そして、私も四つ葉のクローバーを折っては励ましたり、応援したい人達に贈るようになりました。優しい気持ちを持ち素敵な看護師をめざしている学生達と一緒に折り紙を作るようにもなりました。折り紙と共に、その方の優しい思いがずっと誰かに届き続けるように、これからもこの四つ葉のクローバーを伝えていきたいと思っています。

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