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可能性は誰が決めるの?

訪問看護ステーションととのえ

 



子供がずっとバレエを習っていました。まだ3歳くらいでしたがバレエの先生から、「覚えが良いので難しい振りも教えてみます」と言われました。教えてもらったことはすぐに表現できるようになる娘をみて、小さい子には出来ないと勝手に決めつけている自分に気が付きました。小さい子供だから無理じゃないか・・・先生はそのような決めつけをせず、子供の可能性を信じてくれたことが嬉しくて、一方で私は子供の可能性を決めつけていたことを実感しました。それからというもの、子供の可能性を決めつけていないかと自分に問いかけるようになりました。

 看護学教員だった時も、学生だから理解できないのではないか、という決めつけをしないように関わっていくことを大切にしていました。学生の書いてくる記録物やレポートにも、もっと勉強したらもっと看護が楽しくなって看護が好きになるのではないか、この学生はもっと伸びしろがあるのではないか、と考えてたくさんの添削を赤ペンで入れていました。すると学生から「先生の(添削は)赤字がエグイ!!」と笑いながら言われました。エグイという言葉を、若い人は「ありえないほどの」というような意味で時々使うように思います。言葉の意味としてここでの「エグイ」はネガティブな意味ですが、その学生は何だか嬉しそうに「エグイ」と私に言いました。それはきっと、ありえないほどの赤ペン添削ですが、教員が自分の可能性を信じて期待してくれている、と学生が感じてくれたからではないかと思いました。

 その人が持つ無限の可能性は、誰にも決めることができないものだと思います。

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