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「教える事は学ぶ事」

訪問看護ステーションととのえ




 私達は看護学教員として看護師養成施設に勤務していた経験があります。初めて看護を勉強する学生達との日々の関わりや、授業・演習・実習などを通して学生に看護を教えることで、看護師の知識・技術・態度などについて改めて気づかされることや学ぶことがたくさんあったなと思います。

 看護学実習では学生達は病院や施設などで学習したことを記録して提出し、教員の指導を受けて記録の修正を繰り返しながら看護に必要な事を学んでいきます。普段からコツコツと学習を積み重ね飲込みが早い学生は、記録物の修正も少ないため指導する時間が短くなる傾向がありました。及第点に達するために多くの指導を要する学生と、少ない指導でも十分な学生とがいます。実習が終了し、指導が少なくても問題無かった学生の記録物を確認していると「もっと自分のことを認めて貰いたかった」と書いてありました。その学生は、実習中の学習量・理解力・態度などが良かったので安心して様子をみていられました。でも安心だからといって声かけも少なくて大丈夫ということでは無かったのだなと反省しました。出来ることがたくさんある学生には、認めているからこそ具体的に何がどのように良いのかを伝えることが大切だったなと思いました。また違う学生からは「自分がちゃんと出来てることは嬉しいけど、自分にもたくさん指導してほしいです。」と言われました。出来るからこそ向上心が芽生え、更なる課題を求めている学生もいました。学生一人一人の学習習熟度に応じた指導も大切であることはもちろんですが、どのような状態の学生であっても、その存在をしっかりと認め、そして学生に伝える事がもっと大切だったと思います。

 そしてまた、教育の場から看護実践の現場に戻り、看護学教員の時に培ったもの・学び得たことを、自分達の看護を通して皆さんに還元していきたいと思っています。「教える事は学ぶ事」 、誰かに看護を教えた時間は、私達が看護を学ぶことにおいても貴重な時間でした。今になって、この言葉を実感しています。

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